気軽さが魅力の「ちょい飲み」が楽しめるお店を京王沿線の食やお酒に精通したイラストレーター・佐藤礼恵さんがご紹介します。おとなのちょい飲み、ツウな店Vol.2おくのかみ15次号予告151号特集 「国領特集」※内容は変更する場合があります次号は 9月16日発行予定です。ivoryは京王線・井の頭線各駅や京王グループの店舗・施設等で配布しています。分倍河原駅「ivory」はWEBでもSNSでもお楽しみいただけます!焼鳥 とりふく佐藤 礼恵 sato yukie※掲載している施設および店舗等の開 / 閉館・営業時間、定休日、料金、イベント内容等は予告なく変更される場合があります。各施設・店舗の QR コードからHP、SNSなどをご確認ください※本文中で特に表記のない料金に関しては、すべて消費税込の料金です※ QRコードは、OS 環境、お客様の設定やアプリケーションによっては、ご利用いただけない場合があります。QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です一口で伝わる丁寧な仕事。おしどり夫婦が営む焼き鳥店京王沿線で生まれ育つ。イラストレーター、ライターとして、旅や食、お酒にまつわるエッセイを書籍や雑誌などで発表。自身が発行人 & 編集長を務めるフリーマガジン「たまにわ」を年4回、多摩地域で配布中。 W www.yukie.org/「焼鳥 とりふく」の情報はこちら「「iivvoorryy」」IInnssttaaggrraamm 「焼き鳥店」と一言で呼ぶにはその域を超えている……。そんな店が分倍河原にはある。場所は駅から徒歩約5分。住宅が立ち並ぶ旧甲州街道沿いにたたずんでいる。店内には4名席が2卓、3名席が1卓、カウンターが9席。私は一番奥のカウンター席に着き、初夏の清々しい日だったので、まずはレモンサワーで喉を潤そうと決めた。 料理メニューに目を落としながら一口飲むと、今までに飲んだことがない味わいに衝撃が走る。このサワーは、ラム酒を使用し、三温糖で漬けたというレモンが添えられている。丁寧に皮が剥かれているため、レモンもおいしくいただけるのだ。あまりのおいしさに、料理を決めるまでにグラスが空いてしまった。大将が厳選した日本酒メニューを見ると、季節限定の「屋あり、私はおすすめの冷をお願いした。 料理はどれも大将の情熱が感じられるものばかり。例えば、「揚げたて厚あげ」に添えられているのは鰹節ではなく、上品で優しい香りの鶏節。その鶏節を使用した「季節のおひたし」も絶品だ。メインである焼き鳥は、鶏肉特有の臭みが抑えられた信玄鶏を使用し、塩でいただくと鶏の旨みが舌に心地よく残る。さらに、私が心を掴まれたのが「うずら玉子」。半熟に仕上げてあり、外は熱々、中の黄身は口の中で弾け、とろけるうまさなのだ。 そんなこだわりを持つ、こちらのお店はとても仲が良いご夫婦で営まれている。大将は驚くことに、20歳の頃はプロのミュージシャンを目指していたという。しかし、生活のために夢を断念。会社員を経て、焼き鳥修業の後、現在に至るが、ここまで来る道のりは計り知れない。自分のお店を持った後も「もっとお客様に喜んでもらうため守」がに」と、定休日を返上し日本料理店へ5年間勉強に行くなど、たゆまぬ努力があった。「支えてくれた奥さんのおかげ」と話す大将の笑顔が、私をほっこりとさせ、とっておきの時間となるのだ。「「iivvoorryy」」デデジジタタルルブブッックク
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