気軽さが魅力の「ちょい飲み」が楽しめるお店を京王沿線の食やお酒に精通したイラストレーター・佐藤礼恵さんがご紹介します。おとなのちょい飲み、ツウな店Vol.4すいじんひれ臭みのない鰭15次号予告153号特集 「永福町特集」※内容は変更する場合があります次号は 2026年1月16日発行予定です。ivoryは京王線・井の頭線各駅や京王グループの店舗・施設等で配布しています。京王多摩センター駅水神佐藤 礼恵 sato yukie※掲載している施設および店舗等の開 / 閉館・営業時間、定休日、料金、商品、イベント内容等につきましては、各施設・店舗の QR コードから HP、SNS などをご確認ください※本文中で特に表記のない料金に関しては、すべて消費税込の料金です※ QRコードは、OS 環境、お客様の設定やアプリケーションによっては、ご利用いただけない場合があります。QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標ですふぐとひれ酒に酔いしれる冬の贅沢なひととき京王沿線で生まれ育つ。イラストレーター、ライターとして、旅や食、お酒にまつわるエッセイを書籍や雑誌などで発表。自身が発行人 & 編集長を務めるフリーマガジン「たまにわ」を年4回、多摩地域で配布中。 W www.yukie.org/「水神」の情報はこちら「「iivvoorryy」」IInnssttaaggrraamm ふぐのおいしい季節がやってきた。しかし、ふぐはやはり高価。そんな時に思い出すのは、本格的なふぐ料理をリーズナブルな価格で提供する日本料理店「水お店は京王多摩センター駅から徒歩約3分の複合施設内にあり、座敷とテーブルを合わせて約30名が利用できる広さ。カウンター席は3席なので、私はお気に入りのカウンター奥を予約の際にお願いする。 大将はトラフグをはじめ、可食部位が異なる約8種類のふぐを扱う腕利きだ。そんな大将が料理人の道に進んだのは、友人の父から船舶料理士の学校を勧められたことがきっかけだった。大型船「水神丸」の料理人を6年間勤めた後、和食店で腕を磨いた。その経験を活かして創業した「水神」は、来年には創業30周年を迎える。常に妥協せず、「お客様を喜ばせたい」という姿勢こそ、長年支持されている理由だろう。 魚料理はどれも魅力的だったが、この日の私はふぐモード。飲み物も迷わず1杯目から「ひれ酒(とらふぐ)」と決めていた。熱々の日本酒に、遠火でじっくり焼かれた神」だ。い炎が消えたら、再び蓋を閉め、しばし待つ……。20秒ほどしてから蓋を開けると、鰭の香ばしい香りが立ちのぼる。琥珀色に染まった酒は、まろやかさが増し、出汁が効いたスープのような深い味わいへと変化するのだ。 この日はコモンフグが入荷しているというので、アテには「ふぐぶつ共酢もどき」を注文。ふぐとあん肝をポン酢と薬味で和える一皿で、淡白でありながら噛むほどにうま味が広がるふぐと、クリーミーでコクのあるあん肝が互いの魅力を引き立て、絶妙な味わいを生み出している。ひれ酒との相性は言うまでもない。差し替えをお願いし、再びひれ酒を楽しむ。料理は大将が一人で手掛けているため、なかなか会話はできないが、合間での交流を楽しみ、季節の移ろいを感じながら、贅沢な時間を過ごした。を沈め、蓋を開けて着火。青「ivory」はWEBでもSNSでもお楽しみいただけます!「「iivvoorryy」」デデジジタタルルBBOOOOKK
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