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>京王線・井の頭線をご利用のお客さまへ鉄道運賃改定を実施いたします
京王線・井の頭線をご利用のお客さまへ
2023年10月1日(日)より
鉄道運賃改定を実施いたします
鉄道旅客運賃の変更認可申請について、国土交通大臣より認可を受けたことから、2023年10月1日(日)に約28年振りの鉄道運賃改定を実施いたします。引き続き「安全性の向上」や「サービスの向上」に取り組んでますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
改定理由
当社はこれまで、お客さまや沿線にお住まいの方に信頼され、愛される鉄道になるため、「安全性の向上」や「サービスの向上」に積極的に取り組むとともに、生産性向上などの経営効率化に努めることで業界最安水準の運賃を長年に亘り維持してまいりました。(直近の値上げは消費税率変更によるものを除くと約28年前の1995年となり、その後1997年には値下げも実施しております)しかしながら新型コロナウイルス感染症の影響により、利用者は同業他社と比較しても大きく減少していることに加え、テレワーク等の新しい生活様式の浸透や中長期的な沿線人口の減少等により、今後もコロナ前の水準までの回復は見込めないと想定される等、鉄道事業は極めて厳しい経営状況にあります。
このような状況下でも、公共交通事業者として揺るぎない安全・安心をお客さまに提供し続けていくためには、2021年10月に発生した車内傷害事件を受けた防犯対策や、ホームドアなどのバリアフリー設備の整備等を進め、またそれらを適切に維持管理することが不可欠です。「日本一安全でサービスの良い鉄道」を目指し、あらゆるお客さまが安全・安心・快適にご利用いただける鉄道サービスを提供し続けていくため、さらなる経営努力を前提として、不足する費用の一部についてお客さまにご負担をいただきたく、約28年振りの運賃改定を実施させていただきます。
改定内容
実施日: |
2023年10月1日(日) |
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改定率・増収率: |
平均改定率13.3% 平均増収率11.5% |
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改定率
普通運賃
通勤定期
通学定期
合計
13.8%
14.1%
0.0%
13.3%
-
割引率
通勤定期
通学定期
37.6%
80.1%
今回改定のポイント
1.普通旅客運賃
●初乗り運賃は10円程度の値上げ
ICカード 126円→140円 きっぷ 130円→140円
●その他区間は改定額を極力抑え、最大で42円の値上げ
ICカード 388円→430円 きっぷ 390円→430円
2.定期旅客運賃
●通学定期運賃は、家計負担に配慮し据置きといたします。
●通勤定期運賃は、普通旅客運賃の値上げにあわせた改定といたします。
3.その他
●「京王ライナー」「Mt.TAKAO号」の座席指定料金は現行(1席につき410円)から変更いたしません。
●相模原線京王多摩川~橋本間の乗車キロに応じて設定している加算運賃を廃止いたします。
●障がいをもつ方の社会活動への参加を支援する取組みとして、精神障がい者割引を新たに導入いたします。
よくいただくご意見(FAQ)
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2023年10月1日(日)以降の運賃はいくらになりますか。
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こちらでご確認いただけます。
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改定後の運賃はいつから適用になりますか。
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2023年10月1日(日)の始発から適用となります。
※2023年9月30日(土)の最終電車までは、日付が2023年10月1日(日)に変わった後でも、現行の運賃が適用されます。
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運賃改定実施前に購入した定期乗車券は、2023年10月1日(日)以降もそのまま使えますか。
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お持ちの定期乗車券の有効期限まで、そのままご利用いただけます。差額のお支払いも必要ありません。
※同時期に運賃改定を予定している京王バスについては定期券のお取扱いが異なります。詳しくは京王バスHPをご確認ください。
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小児の運賃はどうなりますか。
-
小児運賃は大人運賃の半額です。(計算上生じた10円未満の端数は、切り上げて10円単位といたします。ただし、ICカードの場合は、計算上生じた1円未満の端数を切り捨てて1円単位といたします)
※2023年10月1日(日)以降導入する鉄道乗車ポイントサービスにご登録いただき、小児用PASMOでご乗車された場合は、小児運賃の50%をポイント還元いたします。詳しくはこちら
※「PASMO」は株式会社パスモの登録商標です。
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回数乗車券はどうなりますか。
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2023年8月31日(木)をもって、「普通回数乗車券」「時差回数乗車券」「土・休日割引回数乗車券」の発売を終了いたします。
※身体障がい者用回数乗車券、知的障がい者用回数乗車券、通学用回数乗車券は引き続き発売いたします。
※お持ちの回数乗車券については有効期限終了までご利用いただけます。
※2023年10月1日(日)以降導入する鉄道乗車ポイントサービスにご登録いただき、PASMOでご乗車された場合は、ご利用回数等に応じてポイント還元いたします。詳しくはこちら
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加算運賃はどうなりますか。
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相模原線京王多摩川~橋本間の乗車キロに応じて設定している加算運賃は、2023年10月1日(日)より廃止いたします。
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障がい者割引はどうなりますか。
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身体・知的障がい者割引に変更はございません。また、新たに精神障がい者割引(きっぷのみ)を導入いたします。詳細はこちら
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座席指定料金はどうなりますか。
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座席指定料金に変更はございません。
※有料座席指定列車「京王ライナー」「Mt.TAKAO号」に関する詳細はこちら
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おとくなきっぷ(京王アミューズメントパスポート、京王線・井の頭線一日乗車券等)の発売金額も改定されますか。
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現在検討中です。詳細が決まりましたら当社ホームページでお知らせいたします。
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どっちーもの金額はどうなりますか。
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どっちーもの発売金額について、1か月定期乗車券の場合は通勤定期運賃に+1,200円とする予定です。金額が確定次第、当社ホームページ等でお知らせいたします。
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入場料金や払いもどし手数料はどうなりますか。
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入場料金については、初乗り運賃にあわせ、大人140円、小児70円に変更いたします。
払いもどし手数料については、普通乗車券は140円に変更しますが、連絡乗車券、回数乗車券、定期乗車券は220円で据置きといたします。
当社の取り組み
引き続き、「日本一安全でサービスの良い鉄道」の実現を目指し、駅・車両の安全対策や連続立体交差事業を着実に推進するほか、自然災害への備え、バリアフリー設備の整備などお客さまの利便性向上施策に取り組んでまいります。
改定に関する参考情報(2023年3月 運賃改定申請時の情報)
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主な改定の内容
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実施日
2023年10月1日(日)※2023年6月公表
改定率
上限運賃平均13.3%
初乗り運賃
(4キロまで)1円単位上限運賃140円(現行126円)、10円単位上限運賃140円(現行130円)
定期運賃割引率
通勤37.6%(現行37.6%)、通学80.1%(現行77.4%)
改定率・増収率一覧
(単位:%)
上限運賃
改定率
増収率
定期外
13.8
11.4
定期
通勤
14.1
13.0
通学
0.0
0.0
計
12.5
11.6
合計
13.3
11.5
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鉄道収支の実績および推定
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(単位:百万円、%)
項目
2021年度
(実績)2024~2026年度(3年間合計)
現行
申請
収入
64,414
230,558
255,570
支出
75,695
259,559
259,559
差引損益
▲ 11,281
▲ 29,000
▲ 3,988
収支率
85.1
88.8
98.5
※支出については、申請上の計算方式で算出しています。
※端数処理のため、各項目の計と合計が一致しない場合があります。
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運賃収入内訳
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(単位:百万円)
項目
2021年度
(実績)2024~2026年度(3年間合計)
現行
申請
定期外
35,260
131,181
146,191
定期
25,195
86,404
96,406
合計
60,456
217,586
242,598
※端数処理のため、各項目の計と合計が一致しない場合があります。
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輸送人員の推移および今後の見通し
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<実績>
(単位:千人、%)
2017年度
2018年度
2019年度
2020年度
2021年度
定期外
273,808
275,259
267,814
180,899
213,565
定期
396,434
402,729
404,751
269,745
287,659
合計
670,242
677,988
672,565
450,644
501,224
前年比
101.5
101.2
99.2
67.0
111.2
<将来推定>
(単位:千人、%)
2022年度
2023年度
2024年度
2025年度
2026年度
定期外
244,580
260,045
259,967
259,967
259,967
定期
323,973
338,680
336,604
336,604
336,604
合計
568,553
598,725
596,571
596,571
596,571
前年比
113.4
105.3
99.6
100.0
100.0
※2022年度以降は申請上の計算方式で算出した推定値です。
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設備投資実績・計画
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①設備投資実績と計画
(単位:億円)
2021年度
(実績)2022年度
(実績)2023年度
(実績)2024年度
(実績)2025年度
(実績)2026年度
(実績)安全
125
196
303
207
202
190
サービス改善
5
14
44
69
113
83
輸送力増強
7
18
33
97
36
48
合計
138
229
380
374
352
321
※端数処理のため、各項目の計と合計が一致しない場合があります。
②主要プロジェクトの内容
ア.より高度な安全・安心の追求
(2022年度~2026年度 平均:230億円/年)
・京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業の推進
・ホームドアの全駅整備とホームと車両床面の段差・隙間解消
・駅構内・車内における防犯・セキュリティ対策(車両代替新造による非貫通車両の解消および非常通報装置双方向対話式化、ホーム上・車内防犯カメラの全駅・全車両整備)
・踏切障害物検知装置の全踏切整備と高機能化
・激甚化する自然災害への対策(耐震補強工事、法面補強工事、落雷対策など)
イ.お客さまニーズを先取りしたサービスの提供
(2022年度~2026年度 平均:80億円/年)
・ターミナル駅における大規模改良の推進
・最新型5000系車両の増備と座席指定列車のさらなる拡充
・ユニバーサルで快適な鉄道サービスの提供(旅客トイレリニューアル、エレベーター大型化、車いす・ベビーカースペースの拡大)
・新たな移動のきっかけづくり(鉄道乗車ポイントサービスの導入検討)
ウ.さらなる社会貢献を通じた地域・社会との共生
(2022年度~2026年度 平均:13億円/年)
・カーボンニュートラル実現に向けた取組み(VVVFインバータ制御装置更新、照明LED化)
・地域社会への貢献・沿線活性化への取組み
エ.未来を見据えた盤石な事業運営体制の構築
(2022年度~2026年度 平均:8億円/年)
・鉄道オペレーションの高度化・効率化の推進
・将来の鉄道運営を担う人財の安定確保・育成
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これまでの経営効率化の状況および今後の取り組み
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①これまでの取組み
ア.メンテナンス体制
線路保守業務、電気施設保守業務、車両検修および整備の一部業務について外部委託を行っております。また、従来は夜間に別々で実施していた架線と軌道の検測を、同時かつ昼間に営業列車と同じ速度で実施することが可能な総合高速検測車を2008年度に京王線で導入し、検測精度の向上とあわせて業務効率化を図りました。
イ.駅運営体制
急速に進行している少子高齢化に伴う労働力不足への備えとして、駅務機器の高度化にあわせた駅運営の効率化を進めてまいりました。定期券を事前にインターネットで予約し自動券売機で受け取ることのできる「定期券らくはや予約」の導入および当該サービスの浸透にあわせた有人定期券発売窓口の営業時間変更や、駅窓口案内システムの導入にあわせた一部改札口における遠隔運営、OB社員およびアルバイト社員の活用を含めた要員配置の見直しなどを適宜実施しております。
ウ.列車運行体制
競馬場線では、1999年から平日にワンマン運転を行っている他、動物園線でも2000年からワンマン運転を開始するなど、業務の効率化を図っております。また、夜間作業時間確保によるさらなる安全性向上施策の推進を目的として、2021年3月にダイヤ改正を実施し終電時刻の繰り上げを実施しました。
エ.営業費用削減
更新工事にあわせた省エネ型VVVFインバータ制御装置の導入や、消費電力を抑制できる照明のLED化、車両工場において湧水を用水に活用できる排水処理施設を導入するなど、環境負荷軽減にあわせた費用削減を図りました。また、省エネ型VVVFインバータ制御装置の導入にあわせ、分解清掃が不要な全閉型モーターへの更新や、ICカード利用率の上昇にあわせた駅務機器のIC専用機化の推進により、更新費用および保守費用の低減を図っております。
オ.コロナ禍を受けた取組み
新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う緊急的な対策として、安全を支障しない範囲で鉄道施設の更新工事の先送りや更新周期の見直し、修繕費など保守費の削減、役員および管理職の給与削減や従業員の手当、賞与の削減を行いました。
②今後の取組み
ア.メンテナンス体制
鉄道の日々の安全輸送を支える土木構造物や電気設備、車両設備などの鉄道施設について、DXや新技術の活用による点検や補修計画策定業務などの効率化・省力化に取り組んでまいります。
イ.駅運営・列車運行体制
将来の労働力不足に備え、遠隔操作やAIなどのデジタル技術を活用することにより安全・サービスのレベルを確保しながら、駅運営・列車運行にかかる業務の省力化・要員の最適化を進めてまいります。
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発売している主な企画商品
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・京王線・井の頭線一日乗車券
発行日当日に限り、当社線全線を何度でも乗り降り可能な乗車券。
・高尾山きっぷ
往復運賃とケーブルカーリフトの運賃をセットにした乗車券。
・京王アミューズメントパスポート
全線一日乗車券と各施設の1日乗り放題券をセットにした乗車券。
・京王東京メトロパス
新宿または渋谷までの往復運賃と東京メトロの一日乗車券をセットにした乗車券。
・TOKYO探索きっぷ
新宿までの往復運賃と東京都交通局(地下鉄、バス、都電、日暮里・舎人ライナー)の一日乗車券をセットにした乗車券。
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利用者サービスの向上策
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「日本一安全でサービスの良い鉄道」の実現のため、ハード・ソフト両面からお客さまサービスに資する様々な取組みを進めてまいります。
(1)日本一安全な鉄道に向けて
①京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業の推進
事業主体である東京都と協力の上、2030年度の事業完了を目指して推進してまいります。約7.2kmを高架化し、25カ所の踏切を廃止することで、道路と鉄道それぞれの安全性が向上する他、交通渋滞の解消や、鉄道によって分断されていた地域の一体化が図られます。
②ホームドアの全駅整備とホームと車両床面の段差・隙間解消
お客さまのホームからの転落や、ホーム上での列車との衝突を防止するため、ホームドアの整備を全69駅で実施いたします。井の頭線は2020年代中頃、京王線は2030年代前半を目標に整備を完了させます。また、ホームドアの整備に合わせ、移動円滑化整備ガイドラインに基づき、ホームと車両床面の段差・隙間の解消を進めてまいります。お身体の不自由なお客さまや小さなお子さま連れのお客さまを含む、すべてのお客さまが安心して乗り降りできる鉄道を目指します。
③駅構内・車内における防犯・セキュリティ対策
2021年10月に発生した京王線車内傷害事件や、2022年7月に発生した京王八王子駅危険物所持者侵入事件と同種事件への対応力強化および未然防止を目的として、引き続きハード・ソフト両面から対策を実施いたします。リアルタイム伝送機能を持つ「車内防犯カメラ」および「ホーム上防犯カメラ」の未設置車両、駅への整備を進め、2023年度末を目途に全車両・全駅に設置します。また、車内の避難経路確保のための全編成の貫通化および、お客さまがトラブルの発生を乗務員などへ速やかに通報できるよう車内非常通報装置の双方向対話式化を図るため、車両代替新造を進めてまいります。
④踏切障害物検知装置の全踏切整備と高機能化
踏切道内の安全性向上のため、全踏切への踏切障害物検知装置の設置を進めてまいります。また、さらなる安全性向上のため、設置済みの踏切障害物検知装置を従来の光線式より検知範囲が広く、より高い精度で検知できる高機能型(エリア検知式)への更新を進めてまいります。加えて、踏切の無理な横断を防ぐため、全踏切の踏切警報灯を全方向型警報灯や両面型警報灯といった視認性の高い警報灯へ更新する工事を、2024年度を目標に完了させます。
⑤激甚化する自然災害への対策
激甚化する自然災害への対策として、構造物の耐震補強工事や豪雨対策として法面補強工事を継続していく他、お客さまや係員の安全確保および施設の機能維持に向けて、避難指示が発令された際の連絡および避難体制の確立や、タイムラインに沿った車両基地の浸水に備えた車両疎開訓練の実施、重要施設の浸水被害軽減に向けた監視体制の構築など、ソフト・ハード両面から鉄道インフラのレジリエンスを高める取組みを進めてまいります。
(2)日本一サービスの良い鉄道に向けて
①ターミナル駅における大規模駅改良の推進
京王グループの最重要拠点である新宿エリアにおいて進めている新宿駅西南口地区開発計画にあわせて、新宿駅の大規模改良を行います。線路の延伸工事を行い西口駅前広場および西南口地下駅広場につながる改札口をそれぞれ新設するなど駅機能を強化することで、他社線への乗換え動線整備や南北のまちのつながり強化などに貢献いたします。
また、リニア中央新幹線の新駅開設が予定されている橋本エリアでは、相模原市が実施する橋本駅周辺整備推進事業と連携し、橋本駅駅舎移設の検討および駅舎移設にあわせた駅機能の強化の検討を進めてまいります。②座席指定列車のさらなる拡充
有料座席指定列車「京王ライナー」の朝夜の通勤時間帯における増発など、座席指定列車のさらなる拡充に向け、最新型5000系車両を増備します。あわせて日中時間帯への運行拡大や一部座席指定列車の導入など、終日運行に向けた検討を進めてまいります。また、座席指定券のチケットレスサービスにおける決済手段の拡充や「こどもといっしょ割 座席指定券」などのWEB販売対応など、ソフト面でのサービス向上を図ります。
③ユニバーサルで快適な鉄道サービスの提供
年齢や性別を問わず、あらゆるお客さまが安心・快適に鉄道をご利用いただけるよう、旅客トイレのリニューアル、エレベーターの大型化、バリアフリールート2ルート目の整備検討、既存車両のリニューアルおよび車両新造に合わせた車いす・ベビーカースペースの全車両への設置、お客さま案内ディスプレイの全駅多言語化など様々な施策を進めます。またお子様連れのお客さまがより鉄道でお出かけしやすくなるよう、渋谷駅などで導入しているベビーカーのレンタルサービス「ベビカル」や、渋谷駅に2023年3月に開設した、設置型ベビーケアルームやベビー用紙おむつ自動販売機などを設置した「パパママサポートゾーン」、若葉台駅や多摩境駅に導入している子ども用トイレなどの施策のさらなる拡大について検討を進めてまいります。
この他、障がいをもつ方の社会活動への参加を支援する取組みとして、現在障がい者割引制度の対象外となっている精神障がい者向けの割引制度の導入に向けた検討を進めてまいります。④新たな移動のきっかけづくり
地域の足として移動需要創出を通じた地域活性化を図るため、沿線にお住まいの方々のお出かけを後押しするような各種施策を実施いたします。「シニア全線パス」や「こどもといっしょ割 座席指定券」などの既存の企画乗車券の継続実施や新規企画乗車券の検討をする他、実証実験を行った「サイクルトレイン」について、将来的な対象者の拡大や幅広いエリアでの実施に向けた検討を進めてまいります。
また、コロナ禍を契機として定着したテレワークなどの新たな生活様式や、多様化する通勤スタイルをサポートし、また外出機会を創出するため、鉄道ご利用回数などに応じてポイント還元を行う「鉄道乗車ポイントサービス」の導入に向けた準備を進めてまいります。また当該サービスを通じて、子育て世帯の鉄道利用を後押しする施策などを検討いたします。
さらに、鉄道利用をより気軽・手軽にご利用いただけるよう、クレジットカードやQRコードで改札を通過、決済できる新たな乗車券システムの導入について検討を進めてまいります。※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
⑤外部企業との事業共創
スタートアップ企業をはじめとした外部企業との共創によるオープンイノベーションにより、新たな人流を生み出す事業の創出や鉄道事業の課題解決に挑戦してまいります。2022年7月にReGACY Innovation Group 株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:成瀬 功一)と共同で開始した「KEIO OPEN INNOVATION PROGRAM」では、実証実験としてチャットによる問い合わせ対応とAIによる自動照合により、駅・車内でのお忘れ物の照会にかかるお客さまの利便性向上および係員の取扱業務軽減を図る「落とし物クラウドfind」の導入や、サラダなどを販売する自動販売機「SALAD STAND (サラダスタンド)by OFFICE DE YASAI」の駅構内への設置・販売などを行っており、今後もこのような取組みを推進してまいります。
(3)鉄道事業の持続性向上に向けて
①カーボンニュートラルの実現に向けた取組み
カーボンニュートラルの実現に向け、さらなる電力・CO2排出量削減に取り組んでまいります。走行時の消費電力をさらに削減可能な新型VVVFインバータ制御装置への更新を引き続き進める他、走行用電力の再利用のための上下一括き電線化や駅舎補助電源装置などのさらなる整備について検討いたします。また駅舎・ホームや車両の客室内などの照明設備のLED化を引き続き実施いたします。
②地域社会への貢献・沿線活性化への取組み
沿線各エリアの魅力向上につながる各種取組みを、引き続き沿線の自治体・企業・団体などとの連携やオープンイノベーションの活用により実施してまいります。開発部門とも連携した連続立体交差事業により生まれる高架下空間を活用した地域連携・交流人口増加に向けた取組みの検討や、乗車券のデジタル化によるタイムリーで魅力的な企画乗車券の発売検討などを進めてまいります。
③鉄道オペレーションの高度化・効率化の推進
駅運営や列車運転および施設メンテナンスなどの鉄道オペレーションについて、DXや新技術の積極的な活用による高度化・効率化を進めてまいります。駅運営や列車運転分野では少子高齢化に伴う労働力不足に対し、AI・IoTの活用による駅業務の高度化やワンマン運転などによる組織・要員体制の見直しを進めます。施設メンテナンス分野では、施設老朽化や保有施設量増による検査コストの増加や技術者不足といった課題に対処するため、タブレット端末を活用した検査業務のデジタル化や、車両機器の遠隔オンラインモニタリングシステムやGISプラットフォーム※を用いた土木構築物のデータベース化を進め、施設異常・故障時の早期復旧体制の構築を目指します。また、AIを用いたCBM※の導入を推進していくことで、業務の精度向上と効率化の両立を目指した各施策の検討を進めてまいります。
※GISプラットフォーム:点検記録や補修履歴などの様々な情報に位置情報を持たせ、地図上で可視化することで、迅速な判断や高度な分析を可能とするシステム
※CBM-Condition Based Maintenance(状態基準保全):老朽化や異常検知といった設備の状態を予知しメンテナンスを行うもの
④将来の鉄道運営を担う人財の安定確保・育成
将来にわたって高レベルの安全・安心・快適な鉄道サービスを提供し続けられるよう、想定外の事象に対応するための訓練の実施やオンライン学習システムを活用した教育体制の推進など、鉄道係員への教育・訓練の拡充を図ってまいります。また、少子高齢化に伴う労働力不足が懸念される中でも優秀な人財を安定的に確保できるよう、採用の強化に加え、働き方改革の推進や定年延長の実施、職場環境の改善などによる社員のモチベーション・エンゲージメント向上に努めてまいります。
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電話でのお問合せ
京王お客さまセンター
042-357-6161
5番:ご案内 7番:ご意見・ご要望 9番:その他
営業時間 平・土休日 9:00~18:00 12/30~1/3はお休みです。
今後の取組みおよび設備投資方針
より高度な安全・安心の追求(2022年度~2026年度 平均230億円/年)
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京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業の推進
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ホームドアの全駅整備とホームと車両床面の段差・隙間解消
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・井の頭線は2020年代中頃、京王線は2030年代前半の全駅整備完了を目標に、ホームドア整備を進める。
・ホームドア整備に合わせ、ホームと車両床面の段差・隙間の解消を進める。
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ホームドアの整備(左:施工中 右:施工後)
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転落防止ゴムの設置(隙間対策)
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ホームのかさ上げ(段差対策)
閉じる
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駅構内・車内における防犯・セキュリティ対策
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・2021年10月に発生した京王線車内傷害事件や、2022年7月に発生した京王八王子駅危険物所持者侵入事件と同種事件への対応力強化および未然防止のため、各種施策の継続・加速化を図る。
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車両代替新造等による非貫通車両の解消と車内非常通報装置の対話式化
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非貫通車両の解消のイメージ(車内避難経路の確保)
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車内非常通報装置
(双方向対話式)
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防犯カメラの全駅・全車両整備
2023年度を目標に設置率100%を目指す。
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リアルタイム伝送機能付き
ホーム上防犯カメラの全駅設置 -
リアルタイム伝送機能付き
車内防犯カメラの全車両整備
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非常用設備の認知度向上
ピクトグラム活用等によるホームドア・非常用設備の視認性向上(飛田給駅)
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異常時対応能力の強化
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車内テロ対応訓練の継続実施
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係員・警備員による
駅構内警戒強化
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閉じる
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踏切障害物検知装置の全踏切整備と高機能化
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・踏切のさらなる安全性向上のため、全踏切への踏切障害物検知装置設置や高機能化を推進する。
・踏切の無理な横断を防ぐため、全踏切の警報灯を視認性の高い警報灯へ変更し、側道や対向側からの視認性を向上を図る。
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線検知式
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エリア検知式(左:二次元式 右:三次元式)
踏切障害物検知装置検知範囲(イメージ)
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激甚化する自然災害への対策
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踏切警報灯視認性向上100%(2024年度目標)
閉じる
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激甚化する自然災害への対策
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・構造物の耐震補強や大雨対策、脱線事故に備えた訓練などソフト・ハード両面から鉄道インフラのレジリエンスを高める取組みを継続する。
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高架橋耐震補強
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法面補強工事
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総合事故復旧訓練の様子
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安全啓発室での過去事例研究の様子
閉じる
お客さまニーズを先取りしたサービスの提供(2022年度~2026年度 平均80億円/年)
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ターミナル駅における大規模駅改良の推進
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・新宿駅西南口地区開発計画にあわせた新宿駅の大規模改良を進める。
・リニア中央新幹線の開業に合わせ、地元自治体など関係各所と連携し、橋本駅移設および駅機能の強化について検討を進める。
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新宿駅西南口地区開発計画の推進
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開発計画イメージパース
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改札口の新設(地下2階)
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西南口地下駅広場につながる改札口の新設
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橋本エリアの開発
※平成28年2月15日 第4回 相模原広域交流拠点整備計画検討委員会資料より
駅移設の検討
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※新宿駅西南口地区開発計画についての詳細はこちら
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座席指定列車のさらなる拡充
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・座席指定列車のさらなる拡充に向けて5000系車両を増備するほか、さらに多くのお客さまにご利用いただけるよう京王ライナーの増発や終日運行に向けた検討を進める。
・ペア席割引販売への対応やクレジットカード以外の決済手段への対応など、チケットレスサービスの機能拡充を図る。
5000系車両の増備と京王ライナーの増発
京王ライナーの導入推移と今後の取組みの方向性
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5000系車両の増備
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チケットレスサービスの機能拡充
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ユニバーサルで快適な鉄道サービスの提供
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・バリアフリー化への取組みを引き続き実施するとともに、子育て世代向けの施策などの拡充を図る。
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車いす・ベビーカースペースの設置
車両新造やリニューアルに合わせ全車両へ設置拡大
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エレベーターの大型化
バリアフリールート2ルート目の整備検討 -
精神障がい者割引の導入
障がいをもつ方の社会活動への参加を支援する取組みとして、精神障がい者割引を新たに導入する。(現在は身体障がい・知的障がい向け割引を実施)
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旅客トイレリニューアル
平山城址公園駅旅客トイレ(左:外観 右:内観)
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お客さま案内ディスプレイの全駅多言語化
子育て世代向け施策のさらなる推進
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京王井の頭線渋谷駅に『パパママサポートゾーン』を開設
(設置型ベビーケアルーム・ベビー用紙おむつ自動販売機等を設置) -
ベビーカーレンタルサービス「ベビカル」
(渋谷駅等に設置済) -
こども用トイレ
(若葉台駅・多摩境駅に設置済)
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新たな移動のきっかけづくり
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・鉄道利用を活性化する施策検討を進め、多様化する鉄道利用ニーズへの対応や鉄道を利用した移動需要の創出に取り組む。
鉄道乗車ポイントサービスの導入
コロナ禍を契機として定着したテレワーク等の新たな生活スタイルをサポートし、外出機会を創出するため、2023年10月1日(日)から、京王線・井の頭線にご乗車いただくと「京王トレインポイント」が京王アプリ内に貯まる鉄道乗車ポイントサービスを開始します。
本サービスは、京王アプリ内の鉄道乗車ポイントサービスに会員登録(無料)をしたPASMOで当社線をご乗車いただくと、ご乗車回数・当社線の乗車運賃に応じて「京王トレインポイント」が付与されるサービスです。貯まった「京王トレインポイント」は、「京王ポイント」に交換、もしくは、セブン銀行ATMを利用して、PASMOへチャージすることもできます。「京王ポイント」は、京王チケットレスサービスで京王ライナーの座席指定券購入に使用できるほか、京王百貨店でのお買い物など京王グループのサービス・施設でご利用いただけます。-
※鉄道乗車ポイントサービスに関する詳細はこちら
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多様な企画乗車券の造成
地域の足として、移動需要創出を通じた地域活性化を図るため、鉄道利用を促進するお得な乗車サービスを検討
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様々なニーズへの対応
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時代の変化に伴い変化するお客さまのニーズに対応し、様々な機会にご利用いただける鉄道を目指す
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サイクルトレイン実証実験
2023年1月28日、3月4日、11日実施
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外部企業との事業共創
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・外部企業との共創によるオープンイノベーションにより、新たな人流を生み出す事業の創出や鉄道事業の課題解決に挑戦する。
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キービジュアル
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SALAD STAND(サラダスタンド)by OFFICE DE YASAIサラダをはじめとした商品の駅構内での販売の実証実験
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落とし物クラウドfindの実証実験
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さらなる社会貢献を通じた地域・社会との共生(2022年度~2026年度 平均13億円/年)
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カーボンニュートラルの実現に向けた取組み
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・カーボンニュートラルの実現に向けた取組みを継続・強化し、さらに環境にやさしい鉄道を目指す。
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照明LED化(稲城駅)
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VVVFインバータ制御装置による効果
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上下一括き電線化(イメージ)
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地域社会への貢献・沿線活性化への取組み
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・引き続き沿線の自治体・企業・団体などとの連携を図りながら、沿線の魅力向上を目指す。連立工事後の高架下空間の活用やデジタル乗車券を活用したタイムリーな企画乗車券の発売など、地域活性化に向けた取り組みを進める。
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連立工事完成後の駅イメージ(下高井戸駅)
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高尾山の冬そばキャンペーンポスター
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未来を見据えた盤石な事業運営体制の構築(2022年度~2026年度 平均8億円/年)
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鉄道オペレーションの高度化・効率化の推進
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・DXや新技術を積極的に活用したワンマン運転化やCBM※の導入など、鉄道オペレーションの高度化・効率化を進める。
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維持管理システム
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駅運営体制の見直し
※CBM-Condition Based Maintenance(状態基準保全):老朽化や異常検知といった設備の状態を予知しメンテナンスを行うもの
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将来の鉄道運営を担う人財の安定確保・育成
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・鉄道運営を担う人財の確保・育成に向けて係員の教育・訓練の拡充や働き方改革の推進など各種施策を実施する。
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エキスパート職の採用強化(PR動画の制作・配信)
※エキスパート職採用コンセプトムービーはこちら
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駅事務所でのオンライン学習
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