八王子車人形
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古典芸能からフラメンコまで…
海外でも人気を博す車人形!
『八王子車人形』は、国・選択無形民俗文化財や東京都の無形文化財に指定されている伝統的な人形芝居です。文楽(ぶんらく)という三人遣いの人形芝居を合理化しようと、江戸時代末期に考案されました。3つの車輪が付いた箱のような「ろくろ車」に一人で腰かけて人形を操るため、簡素な舞台、少人数での公演ができるようになったのです。また、人形のかかとについている「かかり」を人形遣いの足の指に挟んで人形の足を動かすところも車人形の特徴。人形の足が直接舞台を踏むので、力強くリズミカルでテンポの速い動きができます。
現在、車人形を受け継いでいるのは埼玉、奥多摩、八王子の三座のみ。八王子で活動している『西川古柳座』の家元は五代目。一地方の郷土芸能であった車人形を国際的に認められるレベルに引き上げた先代の芸を受け継ぎつつ、フラメンコやバレエ、落語などとコラボレーションをしているほか、海外公演にも積極的に取り組んでいます。
公演は不定期ですが、毎年4月には八王子市にある稽古場で、紅葉の時期には『高尾山もみじまつり』で興行しているとのこと、事前連絡すれば、稽古を見学することもできるそうです。八王子で守り続けている日本の伝統芸能をぜひともご覧ください。