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開発秘話開発者が語る「新型5000系」の軌跡

車両の企画・設計から携わり、整備・試験チームのリーダーも務めた車両電気部 大川主任に語っていただきました。

ご乗車いただくお客さま、運転する人、様々な立場の目線を意識し、
より多くの方に使いやすい電車を造りたい!

入社動機は「電車を造りたい」という想いでした

  • 【Q】希望通りの部署に配属され、運良くチャンスが巡ってきましたね。

    はい。入社した2009年は新造車両を造るかまだわからない時期でしたが、新造のチャンスがあれば携わりたいと思っていました。今回の5000系の話が社内で出たときには、真っ先に手を挙げました。一度手を挙げてから時間が経過していたので、上司に忘れられていないかもう一度確認するほどあの時の自分は前のめりだったと思います(笑)

    【Q】開発者として、どういう車両を造りたいと思っていたのですか

    設備や装置は最新でありながら、車両間の引き戸の開く方向を既存車にならったり、ドアチャイムや警笛も従来の音源を再現したり、ご利用していただくお客さまにとって違和感がないものにしたいと思っていました。
    従来より親しまれてきた「京王らしさ」を引き継ぎながらも、いい意味で「京王らしくない」車両に進化させ、快適性・利便性の向上を目指したいと思っていました。

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【Q】実際に開発していく中で、その想いは実現できましたか?

プロジェクトチームの一員として携わったため、私一人の実績ではありませんが、素晴らしい車両が出来上がったと思います。私の役割は車両の設計ですが、運転・整備など様々な役割が組み合わさって良いサービスが実現します。お客さまが快適にご乗車いただけるよう
・お客さまのニーズ
・わくわくできる車両
・乗り心地と運転のしやすさ
・安全のための整備のしやすさ
など様々な視点を加味して設計を行い、調整は大変でしたが、良いサービスが提供できる車両になったと思います。

座席指定列車にお客さまが求めるものとは

  • 【Q】大川主任は、座席指定列車に何が求められていると思いますか?

    着席して移動できるという「快適性」が一番求められると思います。そのため、お客さまが快適に過ごせる車内空間づくりのために、できることはすべて実現するつもりで取り組みました。内装・設計の初期段階では、関東・関西の新型特急車両・通勤車両を試乗して周るだけではなく、宿泊施設や商業施設などジャンルの違う場所にも足を運び、5000系にふさわしい上品で落ち着きある内装・設備の検討をひたすら重ねました。
    もっとも快適性が求められるものは、「座席」です。新型車両では、従来車より10mm広い460mmを確保し、座り心地を大きく向上させています。肘掛の内側を削って座席幅を広げるなどの工夫した点に自分のアイデアが採用されているので、乗車された際はご覧いただければと思います。

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【Q】内装でこだわったのはどのような部分ですか。

クロスシート時に、窓際のお客さまが携帯電話や小物などを置けるように窓フレームの下枠の幅を広げ、落下防止の「かえし」を付けたことです。他にも運転士の背面にある窓を大きくして手すりを設け、お子様連れのお客さまも前面の展望を楽しめるようにしたことや、指紋の残らない処理を施し清潔感を演出した手すりなど、こだわりを挙げれば尽きませんね。

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運転操作がしやすく乗り心地の良い車両にするために

  • 【Q】乗り心地の良い車両にするためにどのようなことをされたのでしょうか?

    鉄道の新造車両は製造したものを受け取って終わりではなく、走行性能の様々な調整が乗り心地の向上には不可欠です。そのために数々の試運転を行い、机上のデータに基づく調整に加え、運転士の方々から意見をもらい機器に反映させることを通じて、快適な車両に仕上げていきました。
    たとえば、ブレーキをとってみても様々な速度域での走行データをとるだけではなく、実際の運転の感覚なども参考に、ブレーキの効きを微調整するなど、乗り心地と運転のしやすさを追求しました。
    こうした努力の結果、最終的には乗務員から、「すごく運転しやすくなったよ」と声をかけていただきました。このときは素直にうれしかったです。

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もっとわくわくする車両に

【Q】放送装置の質が良いと聞きましたが

「放送装置」は高音質なステレオスピーカを採用しました。BGMが流せるよう音源を内蔵でき、また、外部プレイヤーにも接続ができるものを採用しました。BGMのアイデアは、以前社内で「車両を使ったイベントで音楽を流したい。」と要望されたこともあり、宣伝商品としても使いやすい車両になるべく設置いたしました。これを使って音楽イベント列車などわくわくする電車になっていけたらいいなと思います。

  • 【Q】最後に、電車好きな人に何か耳よりな情報はありませんか?

    実は5000系の運転席画面には、エネルギーモニタ機能が加わっています。エネルギーモニタとは、今どれだけ省エネに貢献しているかを「見える化」したものになります。運転席をご覧の際は探してみてください。今後、このモニタを活用して、さらなる効率の良い省エネを検討していきます。お客さまの快適性向上に留まらず、地球環境にも優しい電車ですので、みなさんに可愛がっていただけたらと思います。

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