コンプライアンス・リスクマネジメント
コンプライアンス
基本的な考え方・コンプライアンス体制
当社グループでは、コンプライアンスは法令遵守にとどまらず、企業倫理や社会規範を含む広い概念として捉え、社会の期待に応えていくことと考えています。また、京王グループでは、「京王グループ理念」において「信頼のトップブランド」を目指すことを掲げ、この理念をコンプライアンスの観点から実践するための指針である「京王グループ行動規範」について、研修などを通じて社員一人ひとりに周知徹底を図り、コンプライアンス意識の向上に努めています。また、行動規範の遵守状況等について、コンプライアンスアンケートを通じてレビューしております。そのほか、京王グループ行動規範に則った望ましい行動例等について具体的に解説したコンプライアンスブックは、2004年の初版発行後、法改正や社会規範の変化などを踏まえ改訂を重ね、直近では2025年3月に最新版を作成、以下のような内容を含めて社員に配布しています。必要な場合は有効性について適宜見直しを実施します。
京王グループ行動規範
「信頼のトップブランド」になるため、私たちは以下のとおり行動します。
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企業活動を通じて社会に貢献します
- お客さまの幸せな生活に資する商品・サービスを提供します
- 常に商品・サービスの品質、安全性の向上を追求します
- 適時適切な情報開示に努めるとともに、お客さまの声を事業活動に活かします
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法令・社内規程を遵守し、健全・公正な企業活動を行って、企業価値の向上に努めます
- 全てのステークホルダー(お客さま・株主・取引先・社員などの関係者)に対して、相互に適正な利益を確保できるよう互いを尊重します
- 法令を正しく理解し、法令に則った手続きを行うことで、公的機関等と適切な関係を維持します
- 反社会的な組織、人物に対しては断固とした姿勢で臨みます
- 知的財産や情報の取扱いに細心の注意を払います
- 社員個人の権利を尊重し、社員同士が信頼しあえる風通しの良い職場づくりをします
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社会の一員としての責任を果たします
- すべての人にやさしい環境づくりを進めます
- リサイクル、省エネなど環境保護に積極的に取り組みます
- 社会に貢献し、社会と共に発展するための活動に取り組みます
- 社会の変化に対応し、よき企業市民であるためのチャレンジをしつづけます
京王グループで働くひとりひとりが行動規範を遵守する責任を負っています。
また、行動規範に沿わない行為は直ちに是正する必要があります。
行動規範に反するような行為を見聞きしたり、少しでも疑問が生じたら、ヘルプラインあるいはコンプライアンス・リーダーに相談してください。
そうすることもまた、行動規範を活かしていくために、あなたに課せられた責任の一つです。
企業の持続的成長にとって、組織の透明性、公明性を高めていくことが必要であり、あなたの速やかな情報伝達は不可欠なことです。
- 5つの視点
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あなたは、業務を行うとき、
京王グループ行動規範に則った行動ができていますか?
あなたの行動は...
- お客さまの安全・安心を第一に考えていますか?
- 「京王」のイメージを損ないませんか?
- 家族や親しい友人に胸を張って言えますか?
- 新聞やテレビに出ても大丈夫ですか?
- これくらいなら許される、と思っていませんか?
コンプライアンス意識の浸透
当社では、新入社員から役員までの全社員に対し、コンプライアンス研修を継続的に実施しています。また、京王グループ全体のコンプライアンス意識の向上を図るため、コンプライアンスに関する啓発ツール類を活用しながら、グループ各社の従業員を対象に研修を行っているほか、時事的な話題等をテーマにしたコンプライアンス・トピックスを定期的に配信し、京王グループの全従業員に対し、啓発を行っています。
2024年度に実施した主な研修
2024年度は、コンプライアンス全般、個人情報の適正な取り扱い、職場におけるハラスメントの防止、ビジネスと人権、内部通報制度などに関する全社員を対象とした研修を実施し、コンプライアンス意識の向上を推進しました。また、新入社員、新任管理職、コンプライアンス・リーダー、役員層など階層別の研修を実施したほか、管理職・店長向けのカスタマーハラスメント対策研修など、グループ各社のニーズを踏まえた研修を実施しました。
内部通報窓口
京王グループでは、コンプライアンス上の問題(企業行動規範、人権、いじめやハラスメント、贈収賄含むあらゆる腐敗防止など含む)の早期発見と解決を図るため、グループ全体の内部通報窓口である 「京王ヘルプライン」を設けています。京王グループ各社のパート・アルバイト・派遣社員などを含む全役職員、京王グループとお取引関係のある法人・企業・団体等にお勤めの方が利用可能です。「京王ヘルプライン」は、匿名での通報が可能であり、通報者保護のため、通報を取り扱う者の守秘義務や通報者への不利益な取り扱いの禁止などを定めた規程に従って運用しており、公益通報者保護法にも準拠しています。相談は、専用メールアドレス(24時間365日受付可能)・ 電話を通じて行うことができます。 寄せられた通報のうち、コンプライアンス上の疑義があるものについては、グループ各社・当社各部で選任され、研修を受けたコンプライアンス・リーダーを通じて調査・対応を行っています。また、通報の受付・対応状況について、定期的にコンプライアンス委員長・代表取締役社長・常勤監査等委員へ報告しています。 「京王ヘルプライン」の連絡先は、当社グループ従業員に配付している携帯用カードへの記載や、職場掲出用のポスター、各種研修等を通じて周知しています。

リスクマネジメント
京王グループでは、「信頼のトップブランド」にふさわしい適切なリスク管理活動を実施するため、「京王グループリスク管理方針」を定め、リスクの低減および発生防止を目的とした体制を整備しています。
京王グループリスク管理方針
リスク管理委員会は、以下の原則に基づいて、「信頼のトップブランド」にふさわしい適切なリスク管理活動を実施します。
- 公共性の高い鉄道事業を含む幅広い企業活動を行っている企業グループとして、「お客さまの安全」を当社のリスク対策における最重要課題と認識し、必要な対策を検討、実施します。
- 事故発生防止のための対策にとどまらず、事故が起きた場合の被害拡大防止に向けた対策を検討、実施します。
- 事業環境の変化や、発生した事故・事件に関する情報などリスクに関する情報の収集に努め、リスク対策の継続的改善・見直しを行います。
- リスクに関する定期的な研修等を通じて従業員のリスク意識の向上をはかり、実効性あるリスク対策を実施します。
以上
リスクマネジメント体制
京王グループのリスクマネジメント体制は、平常時の体制と危機発生時(発生の恐れがある時を含む)の体制の2つからなっています。平常時は、リスク管理委員長(コンプライアンス担当役員)のもと、リスク対策重点項目の設定や対策の実施状況の確認を目的とした「リスク管理委員会」を定期的に開催し、その内容を代表取締役社長 社長執行役員が委員長を務める「内部統制委員会」に報告しています。危機発生時は社長を本部長とする「危機管理本部」を設置し、速やかに対応します。
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リスクマネジメント体制(平常時)
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リスクマネジメント体制(危機発生時)
リスクマネジメントサイクル

リスク対策重点項目
京王グループでは、全社的なリスクである「労務・コンプライアンスリスク」、「情報セキュリティリスク」のほか、事業特性に応じてグループ各社、当社各部が選定する「個別事業リスク」に大別されるリスク対策項目を選定し、特定したリスクの対応の進捗状況のモニタリング、時点修正、リスクの新規追加等を行っています。2024年度 は、以下の項目について特に注力しました。
労務・コンプライアンスリスク |
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情報セキュリティリスク |
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個別事業リスク |
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ESG問題に関する法令違反・訴訟等に対する引当金について
2024年度以前の事案に起因した将来発生可能性の高い罰金・和解金に関連して、2025年3月期末においてESG問題に関する重要な引当金の計上はありません。
腐敗防止の徹底
当社では、京王グループ行動規範において、「公的機関等と適切な関係」を維持することを掲げています。また、「外国公務員等に対する贈収賄防止に関する基本方針」を定めるとともに、具体的な禁止事項を定めた規程類を整備しています。