トップメッセージ

ごあいさつ

京王電鉄株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 都村 智史の写真

 平素は京王グループをご愛顧いただきましてまことにありがとうございます。
 当期(2023年度)の事業環境は、ポストコロナとしてコロナ禍以前を超える水準での訪日外国人旅行客の増加や個人消費の持ち直しが見られました。一方で、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけとしたリモートワークをはじめとする生活様式の変化は、今後の事業活動に影響を及ぼす社会変容として定着しました。加えて、建設コストの大幅な上昇、人財確保難など、構造的な経営課題が顕在化しています。こうした情勢のもとで京王グループは、2022年度を初年度とする「中期3カ年経営計画」に基づき、将来的な大規模投資期を見据えて、資産効率の向上と利益規模拡大の両立に向けた取り組みを推進しております。

2023年度決算ならびに2024年度計画

 当期の決算は、すべてのセグメントで増収となり、営業収益は4,086億円となりました。営業利益は不動産業を除く各セグメントで改善し438億円、純利益は292億円といずれも過去最高益となりました。
 2024年度計画につきましては、コロナ禍の終息にともなう人流の回復と㈱サンウッド連結子会社化の通期寄与に加え、好調なインバウンド需要を背景としたホテル業の売上増などにより、営業収益は4,540億円を計画しています。また、営業利益は460億円、純利益は342億円と当期を上回る利益計画です。

配当について

 当期の期末配当金は1株につき30円(中間配当金を含めて年間52円50銭)といたしました。2024年度の年間配当金は当期より17円50銭増配の70円を予定しております。

中期3カ年経営計画の取り組み状況

 鉄道事業では、リアルタイム伝送機能付き防犯カメラの全車両・全駅への設置を完了したほか、保守業務効率化のためのGISプラットフォーム導入、QRコードやクレジットカード等のタッチ決済を活用した乗車サービスの開始など「日本一安全でサービスの良い鉄道」に向けた取り組みを推進しております。
 不動産業では、不動産開発事業の仕入・企画・設計・販売などにおける事業協力をはじめとする資本業務提携のメリット・シナジーの一層の実現などのため、㈱サンウッドの株券等を公開買付けを通じて追加取得し、2023年12月に連結子会社化いたしました。
 ホテル業では、京王プラザホテル(新宿)の本館最上階に新宿を一望できる新しいスペース「SKY PLAZA IBASHO」をオープンしました。
 また、鉄道グループでは国内初のフルバンキングサービスとして提供を開始した「京王NEOBANK」と、鉄道乗車ポイントとの連携を2024年4月に開始するなど、お客様の暮らしがより便利で充実するサービスを提供しております。
 そして、社会課題の解決と人財の確保・育成に向けて、「京王グループ人権方針」および「京王グループDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)宣言」を公表しております。
 これらの取り組みを通じて企業価値の向上を図るとともに、引き続き京王グループの企業理念である「信頼のトップブランド」の確立を目指してまいりますので、皆様の一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2024年6月

京王電鉄株式会社
代表取締役社長 社長執行役員

都村 智史