運転保安設備
鉄道総合指令センター
鉄道総合指令センターには列車の運行などを管理する運輸指令所と、電力の供給を管理する電力指令所の機能が集約され、平常時だけでなく、事故や災害発生時の対応を迅速に行えるよう、連携を強化する体制を整えています。
なお、鉄道総合指令センターの建物には、免震機能や落雷を防止するシステムを備えています。
運輸指令所
列車の運行を円滑に行うため、TTC(列車運行管理システム)により、列車の進路設定、出発指示合図などを自動制御しています。事故発生時などには、列車の位置や遅れなどを総合的に判断し、運行ダイヤの整理・復旧を図るとともに、駅の「お客さま案内ディスプレイ」や「車内案内表示器」などを通じて運輸指令所から一括してお客さまに最新情報をご案内しています。
電力指令所
列車運転用電力と駅設備や信号保安設備などに用いる付帯用電力を供給する、20カ所の変電所の運転状況や送電状況を、集中監視制御システムにより24時間体制で監視しています。
事故や停電が発生した場合は、直ちに予備の設備に切り替え、列車運転への影響を最小限にするなど、電力の安定供給に努めています。
ATC(自動列車制御装置)
国土交通省の「鉄道に関する技術上の基準を定める省令等の一部を改正する省令」により、曲線・ポイント(分岐器)・線路終端などに列車が進入する際には、安全上支障のない速度まで自動的に列車を減速させることができる装置の導入が義務付けられています。これを受け、当社では安全性の高いATC(自動列車制御装置)を導入しています。
ATCとは、先行列車との間隔や曲線、分岐、下り勾配、停車駅などさまざまな条件をもとに、常に適正な速度で走行するよう列車をきめ細かく制御する装置です。これにより、列車速度が制限速度を超えることがなく、また、踏切の非常ボタンや障害物検知装置、駅ホームの列車非常停止ボタンなどとも連動し、非常の際には列車を自動的に停止させることができます。さらに、気象条件などにより、運輸指令所から任意の区間に速度制限をかけることもできます。
京王線では2011年10月に(このうち相模原線については2010年3月に)、井の頭線では2013年3月に従来のATS(自動列車停止装置)からの切り替えを完了しました。
過走防止装置
過走余裕距離が特に短い終端駅などに設置しています。複数の地上子がそれぞれ列車の速度を照査し、制限速度以上で列車が通過したときは非常ブレーキを作動させて列車を停止させます。
防護無線装置
列車の脱線や踏切内での立ち往生などにより、他の列車の運行に支障を来す恐れがある場合、乗務員が乗務員室にあるボタンを押し、無線による信号を発報する装置です。この信号を受報した列車の運転士は直ちに列車を停止させ、事故を未然に防ぎます。
車両の緊急停止装置
運転士の体調が急変した場合などに備えて、ハンドルから手が離れると自動的に非常ブレーキが作動する運転士異常時列車停止装置や、車掌が強制的に非常ブレーキをかける装置を搭載しています。
前方監視カメラ
事故や列車運行に対する妨害行為など発生時の状況確認および原因究明を目的として、京王線・井の頭線全車両の運転台に前方監視カメラを設置しています。
車内防犯カメラ
車内の安全とセキュリティの向上を図るため、リアルタイム伝送機能付き「車内防犯カメラ」を全車両に設置しています。
非常用ドアコック
使用すると手動でドアを開けることができる設備で、緊急時は周囲の安全を確認後、乗務員が使用を指示します。
非常用設備の設置場所については、ピクトグラムを活用した表示方法により視認性向上を図っています。