まちづくり・暮らし
沿線拠点のまちづくり
京王グループでは、ハード・ソフト一体となったまちづくりを鉄道会社ならではの長期視点で進め、まちとの共生・発展の実現に向けた取り組みを行ってまいります。また都市の再開発プロジェクトとして、東西両端のターミナルに加え、中間地である調布エリアなど、沿線でのまちづくりを面的・同時並行的に推進してまいります。
新宿エリア
新宿駅西南口地区開発計画については、北街区は地上19階、地下3階建て、南街区は地上37階、地下6階建ての複合ビルを予定しています。なお、南街区の高層階には、国際水準のラグジュアリーホテルの整備を検討しています。
また、京王線新宿駅改良工事にも着手しており、線路の延伸とともにホームを北側に移動し、端部に改札を新設することにより、乗り換え時間の短縮を目指す等、利便性向上に向け取り組んでいます。
当社にとって最重要拠点である新宿エリアにおいて、「新宿グランドターミナル」の実現に向け、本計画を推進してまいります。
調布エリア

京王多摩川駅徒歩1分に立地する、旧京王フローラルガーデンアンジェ跡地ほか社有地を含む約2.8haの敷地において、土地区画整理事業と併せて計3棟の建物を中心にハード・ソフト一体となった開発を行います。
ハード面では、賃貸住宅、分譲住宅、商業店舗、保育園、調布市福祉施設など多様な用途の計3棟の建物を計画しているほか、住まい手のみならず地域の方々も立ち寄れる、“よりどころ”となる空間づくりを目指していきます。またバリアフリー機能の強化などの駅改良工事も併せて実施します。
ソフト面では、まちづくりの一環として隣接する高架下を暫定的に活用し、開発段階から地域の皆さまに気軽に足を運んでいただけるような様々なイベントを外部パートナーと連携して企画・開催していく予定です。「住み継がれる、暮らし継がれる街」を目指し、地域に根差した活動を通して、長期にわたり価値が向上していくようなまちづくりを進めてまいります。
橋本エリア
リニア中央新幹線の開通を見据え、相模原市の策定したまちづくりガイドラインで掲げる、駅とまちが融合した「駅まち一体のまちづくり」の実現に向けた検討を進めています。駅、交通広場等の交通結節機能と周辺街区を一体的に捉え、導入機能や規模、配置等、駅移設に向けた関係者との協議を行っています。併せて、将来の賑わい創出に向け、産学官連携の実証実験や地域共創、オープンイノベーション等により、魅力的なまちづくりの実現に向け検討を推進します。
多摩・八王子エリア

当社が事務局を担う一般社団法人聖蹟桜ヶ丘エリアマネジメントが運営管理を行う多摩川河川敷芝生広場「せいせきカワマチ」では、活用実績が年間200件超にのぼり、年間約1.5万人の方に利用頂いています。こうした官民連携の取組みが、他の模範となる先進的な取組みとして評価され、国土交通大臣より令和6年度『かわまち大賞』を受賞しました。東京都内では2例目の受賞となります。
今後も「川のある豊かな日常」づくりを自治体や地域と連携のうえ進め、来街増・認知向上により地域の活性化を図ってまいります。
高尾エリア

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高尾エリアにおいては、沿線随一の観光資源として、「ホテル」「飲食」「アクティビティの拠点」となる体験型ホテル「タカオネ」や京王高尾山温泉/極楽湯、高尾山口駅前広場、個商いが地域と出会うビル「KO52 TAKAO」などのアセットを活用し、登山前後のプラスワンの楽しみや新たなパートナーの発掘・地域連携強化に取り組み、観光だけでなく、「住む・働く」といった生活の場としての要素にも磨きをかけ、自然共生型のまちづくりを目指しています。
また、青少年向けの社会教育施設「高尾の森わくわくビレッジ」の運営については、2024年度に実施された東京都の入札に参加し、2025年4月から10年間の運営権を獲得しました。地域や沿線企業・大学などとの連携を通して、将来を担う子ども・若者が未来にわくわくする仕組みの構築と実践を目指しています。
世田谷エリア

事業主体である東京都および世田谷区・渋谷区・杉並区とともに、京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業を実施しています。引き続き、用地取得を進めるとともに、全8工区にて高架橋構築など鉄道工事を進めます。
この事業が完了すると、笹塚駅から仙川駅間の約7.2kmが高架化され、25カ所の踏切が廃止されます。これにより、道路と鉄道それぞれの安全性が向上するとともに、交通渋滞の解消や、鉄道によって分断されていた地域の一体化が図られます。
下北沢エリア
開業4年目を迎えた下北沢駅高架下施設「ミカン下北」では「ようこそ。遊ぶと働くの未完地帯へ。」をコンセプトに、下北沢に「働く」というエッセンスを加え、多様な人々がジャンルを超えた混ざり合う街を目指して、開業時より地域パートナーの「やってみたい」を誘発する「下北妄想会議」や「studioYET」などのコミュニティプログラムの運営を実施している他、2023年には地域やスタートアップ企業等外部パートナーとの共創により地域課題を解決するエリア起点のオープンイノベーションプログラム「ROOOT」を実施しました。また、当社は下北沢駅周辺のまちづくりに取り組む「下北沢エリアマネジメント協議会」へ参画しています。
新しい移動需要の創出
沿線における住宅供給、エリアごとの賑わい創出

沿線でのまちづくりと一体となった分譲マンション事業の推進とともに、エリアごとに賑わいを創出する施策を推進します。
2023年に組成した一般社団法人聖蹟桜ヶ丘エリアマネジメントにおいては、「聖蹟桜ヶ丘かわまちづくり計画」により整備された多摩川河川敷芝生広場「せいせきカワマチ」の運営管理や街なか回遊施策を行い、街の賑わいづくりに取り組んでいます。
スポーツを通じた地域活性化

沿線で開催されるバスケットボール「女子日本リーグ(Wリーグ)プレーオフ」や中学・高校年代の全国大会への協賛を行ったほか、ラグビーにおいて府中市に本拠地を置く2チームのホームゲームに協賛し、スポーツとの連携による移動需要の創出とともに、地域活性化や青少年の教育貢献を目指し、グループや地域関係者と協力して取り組んでいます。
また、JリーグのFC東京と2023シーズンより包括連携協定を締結し、連携施策を実施してきたことに加え、2025シーズンからは新たにユニフォームパートナー契約を締結したほか、調布市にある武蔵野の森総合スポーツプラザについてネーミングライツを取得し「京王アリーナTOKYO」として新たにスタートするなど、スポーツを通じた中長期的な沿線価値向上、魅力的なまちづくりを推進していきます。
eスポーツを地域と共に盛り上げる

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若年層を中心に人気の高まっているeスポーツに関して、大会の沿線への誘致と関連イベントの開催、新宿でのファン交流拠点KEIO eSTATIONの開業などの取り組みを進めています。また、eスポーツやゲームを活用した教育(エデュテイメント)にも注力し、未来の沿線を支える人材育成を進めています。
eスポーツを通じて、選手・ファンの「好き」を応援することで、沿線内外からの移動需要や街の賑わいを創出しています。
まちづくりにおける各種取り組み
まちづくり・開発におけるアクセスの配慮
当社はまちづくりの設計段階において公共交通機関へのアクセスに配慮しながら開発に取り組んでおります。例えば新宿エリアでは、新宿駅の改良工事に着手しており、線路の延伸とともにホームを北側に移動し、端部に改札を新設することにより、乗り換え時間の短縮を目指しております。京王多摩川開発プロジェクトでは、バリアフリー機能の強化など駅改良工事も併せて実施します。
テナントスタッフの皆様の働きがい向上
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京王SCクリエイションが運営する各商業施設では、日々の生活に溶け込んだ存在=お客様にとってかけがえのない存在になることを目指しています。そのためには事業のパートナーでもある、テナントスタッフの皆様がいきいきと働ける環境整備が不可欠であり、エンゲージメントを高める取組みに尽力しております。
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京王聖蹟桜ヶ丘SCでは、スタッフに日頃の接客を見つめ直し、より良い接客を目指してもらうために「接客ロールプレイングコンテスト」を行っております。上位に入賞したスタッフへ表彰を実施しています。さらに研鑽・成長の機会として一般社団法人日本ショッピングセンター協会が主催する東京大会へ、当社代表としてご出場していただいております。
接客ロールプレイングコンテストの開催と表彰
テナント・地域社会との連携を通じた社会課題解決
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京王SCクリエイションでは、地域で活躍する企業や様々な団体との繋がりを深めると共に、商業施設の新たな価値創造や社会課題の解決に取り組んでいます。
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毎年春と秋の2回、京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターでは「せいせきビールまつり」を開催しています。多摩エリアに点在する約15か所のブルワリーが一堂に会するイベントを、地元大学生と協働で企画・運営しています。今後も地域連携・産学連携などの取組みを通じて、街・沿線の魅力発信に努めると共に、お客様がわくわくするイベントや体験をご提供してまいります。