社員の健康とエンゲージメント
社員がイキイキと働きがいを感じながら成長していく環境づくりに向けて、健康維持増進やエンゲージメント向上に取り組んでいます。
エンゲージメント
エンゲージメント調査
当社は「エンゲージメント」を重要な経営課題と認識しております。社員と会社の成長の方向性が一致し、お互いが貢献し合えるような関係性の構築を目指して、経営トップ層からのビジョン発信の強化や会社全体の課題に対する諸制度の見直し、各職場での取り組みを継続して推進しております。
2022年度からは、従業員のエンゲージメントの状況をより正確に把握し、早期に改善策を実施できるよう、これまで3年に1度実施してきた従業員満足度調査に代えて、毎年エンゲージメント調査を実施しております。
「仕事」「職場」「会社」それぞれに対して、自らの力を発揮しようとする自発的な貢献意欲を定量的に把握するとともに、「挑戦を認め、失敗を許容する組織風土」を測る重要な指標として、「職場の心理的安全性に関するスコア」に着目しております。
モニタリング指標(単体) | 目標 | 2023年度実績 |
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トータルエンゲージメント※1 | 3.5点以上/5点満点 | 3.44 |
職場の心理的安全性スコア※2 | 3.5点以上/5点満点 | 3.47 |
- ※1外部の調査専門会社が提供するエンゲージメント調査サービスにおける評価指標で、「一人ひとりが今の仕事や職場・会社で働くことに意味や価値を感じ、自ら貢献する意思をもって働いているか」などの度合いについて、当社全社員を対象とした調査結果を点数化したもの(3.5点以上が「良好」)であります。
- ※2※1と同様の評価指標で、「職場にはお互いを尊重し、協力し合う雰囲気や何でも言い合える安心感があるか」などの度合いについて、当社全社員を対象とした調査結果を点数化したもの(3.5点以上が「良好」)であります。
エンゲージメント向上へのサイクル
調査結果を基に顕在化した課題解決のための取り組みを「会社施策」と「職場別の施策」の両輪で回しており、下記の図のサイクルを繰り返し実施することで、組織内のエンゲージメントを向上させております。
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- 見える化
- エンゲージメント調査の実施
- 従業員のエンゲージメントを見える化
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- 課題分析・設定
- 部課長・現業長のワークショップ実施
- 調査結果をもとにエンゲージメントを阻害する要因を分析する
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- 成果の検証・
モニタリング - アンケートや1 on 1の実施
- 取り組みの実施状況や効果を検証
- 成果の検証・
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- 対処・実行
- 各職場で取り組みの実施
会社全体の課題は諸制度の見直しを実施 - 課題解決に向けて取り組みを検討、実施する
健康経営
健康経営宣言
地域社会の人々に安全・安心を提供し、幸せな暮らしを実現するためには、
社員一人ひとりがいきいきと働くことが欠かせないという考えのもと、
わたしたちは社員とその家族の「心と身体の健康づくり」を推進します。
- お互いを思いやり、積極的にチャレンジできる組織風土をつくることで心の健やかさと充実感を高めます。
- より良い生活習慣の支援や、労働環境の整備を行い病気やケガのない健康な身体づくりに取り組みます。
- 自身とその家族の心身の健康を最も大切なものと捉え幸せな暮らしを実現します。
推進体制
当社では社員の健康づくりにあたり、人事部分担役員を中央総括安全衛生管理者とし、産業医や診療所、人事部が中心となって全社的な取り組みを推進しています。さらに鉄道部門と本社部門それぞれに総括安全衛生管理者をおき、各職場の状況に合わせて健康増進施策に取り組んでいます。
外部からの評価
経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人認定制度」において、当社は「健康経営優良法人2024」(大規模企業部門)に認定されています。
健康経営の実績と目標
当社では、京王グループ社員の健康保持・増進と疾病の予防を図るため、京王電鉄診療所を開設し、定期健康診断、各種検診、医療相談の他、内科診療も実施しています。これらの取り組みを通して特に以下の項目について課題ととらえ、各種施策を展開しています。
- 健康経営の目標
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肥満率の減少
38.1% 35%未満
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喫煙率の減少
25.6% 20%未満
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運動習慣者率の増加
17.8% 20%以上
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項目 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
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肥満率 | 38.9% | 38.1% | 39.4% |
喫煙率 | 24.8% | 25.6% | 24.3% |
運動習慣者率 | 22.9% | 17.8% | 22.9% |
労働災害件数 | 24件 | 23件 | 27件 |
定期健康診断受診率 | 100% | 100% | 100% |
メンタル不調による休職者の割合(全従業員に占める割合) | 0.7% | 1.4% | 1.2% |
- 数値は電鉄単体
主な取り組み
がん発見への取り組み
健康保険組合と連携して血液検査による胃がんリスク健診を実施するとともに、レントゲンや胃内視鏡を用いた胃がん検診を勧奨しています。また、大腸がん検診キットの対象全社員への配布を行っています。
心のケア

ストレスチェックにおいて高ストレスと判定された社員には産業医との面談を促すとともに、職場ごとの傾向を分析し環境改善につなげています。また、メンタル面で不安を抱える社員には産業医や専門医による医療相談や職場の支援を実施。必要に応じて外部医療機関と連携し治療につなげているほか、鉄道事故に遭遇した現業社員への心理的支援を強化し、心的外傷後ストレス障害防止に取り組んでいます。
健康年齢の提供による健康意識の向上
毎年実施している定期健康診断の結果数値を基に「健康年齢※」を算出する取り組みを導入しています。産業医が行う法令上の健康指導・監督に加えて、健康年齢をはじめとした各種指標を分かりやすく提供することで、社員の健康づくりに対する意識向上や行動改善のきっかけづくりに寄与しています。
- 定期健康診断の結果から必要な医療費を予測し、これが何歳に相当するかを評価する統計指標。(株式会社JMDC提供)
脳ドックの実施
50歳、60歳を迎える社員を対象に、脳ドックを無償で受診できる制度を導入しています。現場第一線で活躍する多くの社員が、より安心して働くことのできる環境づくりに努めています。
運動機会の提供

京王グループ社員を対象とした野球大会、ボウリング大会など様々なスポーツイベントを実施しています。また2013年からは沿線内外の皆様も参加する「京王駅伝フェスティバル」を開催しており、社員はじめ幅広い世代の方に手軽にスポーツを楽しんでいただく取り組みをしています。この他、社員有志による運動系クラブ(サッカー、スキー等16種類)も積極的に活動しています。
その他の取り組み
産業医や外部講師による衛生講演会や、現業部門での健康管理及び労災削減に向けた取り組み(SAS予防、熱中症対策ファン付き作業着)、女性特有の課題に対する支援策(フェムテック)、若メタボ対策、長時間労働の是正や休暇取得の促進など、多方面で対策に取り組んでいます。