Special5つのテーマから読み解くKEIOのスタンス

宿泊施設ではなく、人と人との交流が
自然に生まれる場所をつくる。
THE SHARE HOTELSに込められた
想いとは?

03THEME

沿線を超えた、人への想い

大竹 暁Otake Satoru

株式会社リビタ ホテル事業部 出向 2003年中途入社(1999年入社扱い)/経済学部卒

京王プラザホテルや京王プレッソインをはじめ、ホテル事業を全国的に展開している京王グループ。中でも「THE SHARE HOTELS」は、地域活性化に寄与するリノベーションホテルとして各方面からの注目を集めています。従来のホテルとは一線を画すこのブランドには、京王グループのどのような想いが込められているのでしょうか。

従来の“ホテルの役割”を捉え直す

私はこれまで、宿泊特化型の京王プレッソインから、フルサービスのシティホテルである京王プラザホテルまで、京王のホテル事業全般に関わってきました。2016年から携わっているTHE SHARE HOTELSは、リノベーションによるシェアハウスなどを展開してきたリビタの事業ということもあり、これまでのホテルとは利用目的や顧客層がかなり異なっています。私個人にとっても非常に刺激的で、毎日の仕事がとても楽しいですね。
THE SHARE HOTELSは、全国の中心市街地の遊休不動産を活用したリノベーションホテルで、ホテルの共用空間を地域に開放しているのが大きな特徴です。共用空間を多く設けることで、宿泊客同士の交流はもちろん、地域の人同士の交流、そして宿泊客と地域の人の交流を促すコミュニティスペースとして、ホテルが地域のハブとなって機能することを目的としています。「あそこにいけば何か面白いことが見つかる」という認知が広まってきているのは本当に嬉しい限りです。

“消費”ではなく
“創造”していくホテルを目指して

観光にしてもビジネスにしても、一般的にホテルというのは目的地までの中継地といった役割を期待される部分が大きいと思います。そのため、駅や観光地、商談会場までのアクセスがとても重要になり、たとえばビジネスホテルの場合、「徒歩19分」などと言われると条件的にかなり厳しく、セオリーから言えばまず出店しません。しかしTHE SHARE HOTELSの場合、その程度の距離でも十分成り立ちます。アクセスはもちろん大事ではあるのですが、それ以上に、ホテル自体に場所としての価値を持たせているからです。
ホテルを、いわゆる観光地やビジネススポットまでの中継地としてイメージするというのは、言ってしまえば文化等の資源を“消費”するような考え方でもあると思います。THE SHARE HOTELSは、資源の“消費”ではなく“創造”に貢献するホテルです。「コミュニティづくり」という言い方をしていますが、人と人との交流そのものがホテルに訪れる目的になり、またその交流によって、地域が刺激を受け、活性化していくことを目標に考えています。

地域の人とともに、
ホテルの“つかいかた”を考えていく

私たちは出店計画の段階から、その地域で精力的に活動しているプレイヤーを見つけ出し、地域の交流を生み出すための意見を取り入れながらホテルをつくっています。「ホテルをつくる」というのは、建物としてのホテルをつくるということではなく、「ホテルのつかいかた、つかわれかたを考え続ける」ことであり、建物が出来上がってからも続いていくものです。
一例を挙げると、金沢の店舗KUMU金沢では、地元の街づくり団体と自治体主導のもと、KOGEI Art Fair Kanazawaの会場として、ホテルをまるごと活用してもらっています。アートフェアの開催期間中、KUMU金沢は客室がそのままアートギャラリーになります。国内初となる工芸に特化したアートフェアであり、2017年、2018年ともに国内外から25ギャラリー、約100名の作品が展示販売されました。世界的な工芸の街である金沢の魅力を、ホテルという場所から発信できた事例として、異業種業界や自治体、官公庁からも注目いただいています。

毎日のホテル運営は、地域の交流そのもの

KOGEI Art Fair Kanazawaのような大きなイベントはわかりやすい事例ですが、そのほかの日常的なホテル運営に至るまで、地域のプレイヤーと関わりながら「ホテルをつくる」ことこそ、THE SHARE HOTELSの役割です。
ここLYURO東京清澄を例にとると、1階には地元の人が制作しているフリーペーパーや、近所のイベントのフライヤー、個人商店のショップカードなどが置いてあり、物販でも地元の作家さんのものを取り扱っています。また2階にはカフェ&レストランがあり、レストランの前を流れる隅田川沿いのオープンテラスには、犬の散歩やランニングの休憩に立ち寄る地元の方も多くいらっしゃいます。いずれも宿泊客でなくても利用できるスペースとして街に開放しています。
こうした交流の場所は、実は私たち自身にとっても非常に重要です。日常的に地元のプレイヤーと直接やり取りできる場所になっているからです。何気ない雑談の中からイベントや商品の企画が生まれることもありますし、それこそいま何が地域に求められているかを汲み上げることができるスポットなのです。

「人への想い」を体現する京王グループのホテル

THE SHARE HOTELSは現在、東京、金沢、函館、京都に合計5店舗展開していますが、今後2020年までに合計10店舗に増やすことが直近の目標です。それぞれ、その場でしか出会えないものがあるホテルとして、人々が集う交流の場をつくっていきたいと思っています。
私は以前、京王プラザホテルでも経営管理支配人を経験しましたが、京王プラザホテル創業から受け継がれる「プラザ思想」は、実はTHE SHARE HOTELSも共有しているように思えます。「プラザ」とは、スペイン語で「広場」の意味ですが、「プラザ思想」は街に集う様々な人々が集う広場の創造を掲げています。この基本理念を、リノベーションホテルという形で体現しているのがTHE SHARE HOTELSだと思います。京王グループ全体に通底する「人への想い」を、ときに「プラザ思想」として、ときに「場のシェア」として、体現していくことが京王グループのホテル事業です。私自身も、そうした仕事に携わる中で、自然と人に集まってもらえるような、そんな人間になりたいと思っています。

※掲載内容は取材当時のものです。

THE SHARE HOTELSギャラリー

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